萩岩睦美さんへのファンレター

1999.9.1から72696番目の訪問. 最終更新[2001.6.12]

萩岩睦美「銀曜日のおとぎばなし」

by HIT (1998.12.10)

 読み返して見ると、ところどころ話も分かりにくいところがあるマンガなんですが、でも、やはり大きな感動を与えてくれる「名作」です。

 この作品は、三部作となっており、第一部は、こびとのポーと浮世ばなれした善人のスコットがこびとの村の運命を変える話。第二部は、ロンドンに来たポーが、みんなに幸せを与える、それこそおとぎ話の常道的な話。第三部は、ポーと妖精の恋を描いた話です。

 話運びは、後に行くにしたがって、だんだんうまくなる(多分作者自身が、どんどん成長していたのでしょう。)のですが、萩岩さん独特のえもいえないインパクトは、前の方があります。私は両者のバランスが取れた第二部が好きですが、多分ほとんどの人は、第一部が一番いいというのでしょうね。

 萩岩睦美のこの傾向(前の作品ほどインパクトが高く、後の作品ほど完成度が高い)は、前後の作品にも共通しており、銀曜日の前の作品「小麦畑の三等星」の熱血漢的インパクトには、どギモを抜かれましたし、後の作品「パールガーデン」のおとぎ話としての完成度の高さにも関心しました。でも、そのどちらが欠けても物語としても魅力が半減する訳でして、そういう意味では、「銀曜日」こそ、萩岩作品の最高峰だと言えるでしょう。

 話を中心に解説しましたが、かわいい絵柄も忘れてはいけません。この作品の主人公であるポーや、パールガーデンのピア、うさぎ月夜に星のふねのヨネちゃん、トメちゃんとか、小さな子供を描かせたら、この人の右に出る人はいません。かわいい絵柄と、インパクトのあるお話。それが萩岩さんの魅力だと思います。

萩岩睦美「銀曜日のおとぎばなし」(りぼんマスコットコミックス全5巻、集英社文庫コミックス版)
萩岩睦美「小麦畑の三等星」(りぼんマスコットコミックス全3巻)
萩岩睦美「パールガーデン」(りぼんマスコットコミックス全2巻)

(小麦畑の三等星は、超能力の話ですが、高校時代に超科学同好会でそれらを研究していた私としては、「ESPカード」とか「キルリアン写真機」とか、妙に懐かしかったです。)

いまでも、職場の机の上に、ヨネちゃん、トメちゃん
コースター(りぼんの付録)が置いてあるHITでした。


萩岩睦美「プーイ」

by HIT (1997.5.25)

 久しぶりに萩岩睦美の本(マンガ)を買いました。そして、「あー、やっぱり萩岩睦美だ。」と、とても幸せな時を過ごせました。

 彼女の作品を初めて読んだのは、りぼんに連載された「小麦畑の三等星」でした。男性の少女マンガファンの例にもれず、私が少女マンガの道(?)に入ったきっかけは、SFマンガからでした。萩尾望都、佐々木淳子、水樹和佳、清原なつの、といった作家からですが、なつのさんからみで読み始めた「りぼん」で出会ったのがこの作品です。最初は普通の「SFちっくラブコメ」かと思いましたが、後半のど迫力には圧倒されました。「すごい作家が出てきたものだ」と感じたものです。

 その直後、彼女はその才能を如何なく発揮し、「銀曜日のおとぎばなし」、「パールガーデン」といった不朽の名作を次々と発表し、確固たる地位を築きました。特に銀曜日の方は、80年代の少女マンガを代表する傑作といってもいいでしょう。

 さて、表題「プーイ」ですが、昨今あまりりぼん本誌ではみかけなくなった萩岩睦美さんが、増刊に描きためた作品集です。萩岩さんらしい、優しさ暖かさがじわりと伝わってくる佳品ばかりです。古いなじみの作家の出番が少なくなってくるのは寂しいものですが、増刊等で発表した佳品が単行本になり、それを読むというのも、なかなか良いものですね。かつて萩岩睦美に感動した事のある人、そして、すべての少女マンガファンの方に読んでいただきたい作品です。

「プーイ」
「小麦畑の三等星」(全3巻)
「銀曜日のおとぎばなし」(全6巻)
「パールガーデン」(前・後編)
「うさぎ月夜に星のふね」(全3巻)
「魔法の砂糖菓子」
「アラビアン花ちゃん」(前・後編)

以上すべて りぼんマスコットコミックス(秀英社)

P.S.かつてのビッグ・ネームが増刊等で読みきりを描くというのは、昔から良くあるのですが、昔を知らない若い読者は、どう感じているのでしょう。私の例ですと、少女マンガを読みはじめた80年頃、西谷祥子やわたなべまさこ、などが時々描いていましたが、「古くさいマンガだな」としか感じませんでした。やはり現代っ子が、萩岩睦美を読んでも同じ印象を受けるのでしょうか。


[ 感想・投稿 | 萩岩睦美ファン掲示板 | マンガ探偵団 | よみの国研究所 ]