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谷川史子レポート「小梅君が転向したわけ」

By HIT

 今回は、いつもの作品紹介ではなく、ちょっと毛色の変わったレポートを。

 「きもち満月(フルムーン)」の書評でもいいましたが、「きもち満月」では物理部(正確には物理同好会)だった小梅君が、「くじら日和」では医大生になっていた問題について、考察してみます。

 私も物理部でしたから分かりますが、物理部などというマイナーな部に入るような者は、よほど物理が好きな者だけです。小梅君も、当時は「末は物理学者に」と考えていたと思って間違いありません。

 つまり、「きもち満月」の頃は、ほぼ確実に、小梅君は、物理学者を目指していたのです。(事実1)

 しかし、「くじら日和」の中の小梅君は、確実に医学生でした。(事実2)

 事実1と事実2から分かることは、

「小梅君は、二つの作品の間に物理の道から医学の道に転向した」

 ということです。

 この転向の理由はいろいろ考えられます。もともと高校生(2年生)なのですから、将来の道を確固として決めている訳ではなく、揺れることもあるでしょう。また、物理も医学にも両方に興味を持っていたのかも知れません。

 しかし、私は、そうは思いません。小梅君が転向した理由はちゃんと存在するのです。私の仮説は、次のようなものです。

「小梅君は、猟奇物理実験で、医学にめざめた。」

 猟奇物理実験とは、小梅君が、顧問の先生から受けた人体実験(なぜ顧問がそんな実験をしたか、理由は、ネタばらしになるので秘密。)です。

 だいたい、物理実験で、人体実験というのが考え難いですし、さらに、猟奇となると、いったいどんな実験だったのか、想像するもの難しいです。が、あえて想像すると、

「人体を使った電気伝導実験」、「人体を使った弾性実験」位でしょうか。

 どちらにしても、小梅君は痛い思いをしたと思います。

 で、これらの実験の結果がどうなったかというと、電気伝導にしても、弾性にしても、人体は、単純な物質の固まりではありませんので、複雑な変化をしたはずです。つまり「単純な物理法則では、人体を計りきれない。」ということです。

 これらの猟奇物理実験によって、小梅君は、物理学の限界を知り、生物学 (≒医学生理学)に興味を持ちはじめ、結局医学の道を選ぶことになったのではないでしょうか。

 そう。小梅君。君は正しい。20世紀は確かに物理の世紀だったけれど、物理にもう未来はない。21世紀が生物学(≒医学生理学)の時代であることは、万人が知っている。高名な物理学者が生物学者に転向する事例は事欠かないし。高校時代にそれに気が付いた君はラッキーだ。理由はともあれ、それに気付かせてくれた顧問の先生に感謝するんだな。医学分野でうんと名を上げてみちるちゃんを幸せにしておくれ...。

 最後は、読んだ人にしか分からない半端なレポートでした...。

By HIT (1999.4.30)


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