貴紙に不買運動を非難する権利ない 1997.10.30


 10月30日付の日本海新聞に、『続・境線と地中化』と題する特報記事が載り ましたが、大変失望しました。誤認記事で、多くの読者に誤解を与えた事に対 する反省が全くないからです。

 境線は年間230万人が利用し、民営化後1割以上も利用が増えているローカル 線の優等生です。それを、10月7日の記事では、末端の境港駅の乗車人員だけ を引用し、利用が少なく、民営化後も利用が減っていると書いています。これ は、重大な事実誤認です。

 こうした、誤認記事によって、大多数の読者は、境線に対する誤った認識を 持ってしまいました。私以外の読者投書欄に載った意見を見ても、境線の利用 は少ないという前提で話が進んでいます。特に10月31日付の投書では、「これ だけの好材料で、利用が少ないとは、JRの努力が足りないのではないか」とま で書かれています。利用促進と合理化に励んで、それを実現してきたJRに対し てあまりにも失礼な言葉ですが、全て記者の誤認記事が原因なのです。

 記者が個人的にどんな意見を持とうと勝手です。しかし、事実を曲げる記事 を書くことは許されません。80%以上の普及率を誇り、県民への影響が大きい 貴紙では、なおさらです。人間ですから誤りはあるにしても、誤りを指摘され たら、謝った上で訂正の記事を書くべきです。

 私をはじめとする紙面に載った人達の反論に対する意見が全くなく、前回と 同じ主張を繰り返している点も問題です。他人の意見に答えず、自己の主張を 繰り返すだけでは、議論ではなく、単なる「宣伝・布教」です。前日の紙面に 載った「言論には言論を」という記事が虚しいです。

 次に、JR西日本労組の貴紙不買運動についてです。前日付で、「あれは、記 者の個人的な意見であって、新聞社の意見ではない。」と逃げていますが、大 多数の読者は、そんな認識はなく、新聞社の意見だと思っています。たとえ個 人の意見だとしても、それを、新聞の一面に8段抜きの囲み記事で載せ、イン ターネットのホームページにまで掲載したのは、まぎれもなく貴紙です。貴紙 が責任を免れるものではありません。

 新聞不買運動にしても、新聞を購読するのも、やめるのも、個人の自由です から、「民主主義を破壊する」という指摘は当たりません。新聞の情報操作に よる世論誘導の方が、よほど民主主義の破壊にあたります。

 最後に、「言論には言論で答えて欲しい」と述べていますが、一面囲み記事 を自由に使える貴紙と、言論発表手段を持たない労組が、対等な立場で言論を 戦える訳がありません。事実、13日には、抗議文が届いていたにもかかわらず、 29日まで、その内容はおろか、抗議行動自体、貴紙は一切報道していません。 もし、労組が不買運動を起こさなければ、永久に報道されなかったでしょう。 どちらの態度が「陰湿で、非民主主義的」でしょうか。

 以上、総合すると、今回の記事が巻き起こした一連の事件については、どう みても、貴紙に非があります。貴紙が訂正記事を載せない限り、貴紙に労組の 不買運動を非難する権利はありません。

By HIT(1997.10.30)