JR西労組が購読中止打切り宣言 1997.12.16


参考:1997.12.16付 山陰中央新報
---------
「歴史的使命は終わった境線を廃止してはどうか」とする日本海新聞の記事の掲 載問題で、JR西労組、同労組米子地方本部は15日、境線に対する民意を問うため 行ったアンケート調査の最終結果を発表。同時に新日本海新聞社へのFAXによる 「購読中止の通告」を15日で中止した。16日には「報告とお礼」のチラシを境線 沿線で1万枚配布し、17日前後に米子、境港両市を中心に新聞折り込みする。

 アンケートは、境線利用者や沿線住民の1万人にはがきで行い、10日までに 2,362通の回答を得た。89.0%は「記事は利用者を一方的に無視した内容で遺憾」 と答えた。両委員長は「唐突な境線廃止論は、組合員や沿線利用者にどれだけ不 安を与えたことか。アンケートや自治体議会の議論の中で、住民の『境線が必要』 というコンセンサスは得られた。」と述べた。

 また、労組は「境線の重要性を再認識する成果を挙げた」と、ひとまず抗議行 動にけじめをつけ、新日本海新聞社へのFAXによる「購読中止の通告」を15日で 中止し、今後、購読するかどうかは組合員の判断に任せる。ただ、記事の修正・ 撤回は引き続き求める。
------------------

参考:1997.12.16付 日本海新聞
-------------------
新日本海新聞社専務取締役編集制作総局長兼鳥取発特報部長の話
「不買運動の中止は当然。鳥取発特報は、記者の主張である。といって、新聞社 が責任を回避するものではない。初めから言論には言論でこたえてほしかった。 記事が間違っているというが、JRに事前に取材しており、(境線が)赤字基調であ ることに変わりない。当社は、今後いかなる場合にも言論の自由を守っていく。
--------------------

 やっとこの事件も終結に向かって新たな一歩をきったようです。労組の不買運 動終結で、新聞社としては、約束の「労組の主張」を載せざるおえなくなります が、さて、どうでしょう。ちなみに16日の投書欄は、境線無視路線のままです。

 しかし、新聞社の態度は未だにかたくなですね。「言論には言論」という主張 はよいですが、相手の言論手段を奪っておいて、「言論の自由を守っていく」と いうのは、はたで聞いていると、こっけいです。

 また、記事の引用間違いの指摘に対しても「間違っていない」と繰り返してい ますが、「引用した数字が正しいからといって、記事が正しいとは限らない。 (誤用すれば記事自体は間違っている)」という初歩的な論理が分からないのでし ょうか。

 「(例え間違っていたとしても)赤字基調に変わりない」とまで言っていますが、 数字の引用間違いに対する新聞社の認識は甘すぎます。

 これがJRではなく、地元の中小企業の売上高と損益の見込みだったとしましょ う。今回の記事のように、「売上げ大幅減、大赤字」と、実態と異なる記事を書 いて、その会社が廃業に追い込まれるという、取り返しのつかない事態に至って も、「額は違ったが、赤字には変わりない」という開き直りで済むと思っている のでしょうか。

 新聞社の「あの記事は数字の誤用でした。今後、数字の扱いには十分気を付け ます。」というひと言がない限り、私はまだ、新聞社を許す気にはなりません。 労組も同じ気持ちなのでしょう。