郵政公社化は禍根を残す


 郵政省は、郵政三事業の国営堅持に命をかけていましたが、将来絶対に後悔 することになると思います。どこがって?郵政省がです。

 今回の公社化は「民営化はしない」という条件つきのものです。民営化しな い代わりに、「国庫納付金の新設」「人員の大幅削減」「民間より金利を大幅 に下げる」「資金運用部への預託を廃止し、全面自主運用」「郵便事業への民 間参入」という条件がついています。こうした条件は、はっきり言って、民営 化よりもはるかに経営にとって厳しいものです。

 多分数年後には、「三事業一体で民営化していた方がよかった」と後悔する ことになると思います。そうなってからでは遅く、住宅公団のように、廃業に なるのが落ちです。国営のままだと、ほぼ確実にそうなります。


 民営化反対の民意の最大のものは、「近くの郵便局が廃止されるかも知れな い」という理由ですが、以前も指摘した通り、ネットワークで商売する所が、 全国ネットを放棄するはずもないです。事実、宅配便業者も、歯を食いしばっ て、離島などの不採算地域への参入を進めて、全国ネット構築を目指している ではありませんか。

 また、郵政省は、民営化すると、赤字の郵便局は、全部廃止するような口ぶ りで言っていますが、そんなバカな事はありません。JRを見て下さい。大都市 圏や、新幹線などのほんの一部だけが黒字で、他の大多数の路線は赤字ですが、 それでも、ネットワークを維持しています。全社トータルで黒字であれば、よ ほどの大赤字でもないかぎり、廃止する必然性は薄いのです。(内心は廃止した いのでしょうが。)

 以上、実際問題として、郵便局の大幅廃止なんてできるはずがないのです。 郵政省の脅しに過ぎません。以前指摘したように、廃止できるのは、よほど経 営が思わしくないところか、(廃止しても影響の少ない)都会地の郵便局くらい でしょう。

 三事業一体で民営化した場合、トータルで黒字であれば、人員削減も郵便局 廃止も必要ありません。民間との競争を乗りきれる自信があれば、なおさらで す。しかし、国営で残った場合には、今回のように、大幅人員削減や商品価値 の切り下げが、今後も繰り返すと思います。「国営維持の方が郵便局が沢山廃 止される。」ことになりそうなのです!!

 さて、それでも国営を維持しますか?国営維持で得るものって、何ですか? 「特定郵便局長の公務員という肩書」ですか?


 ちなみに、「5年後に公社移管」となっていますが、5年も待てないと思いま す。住専の時に、「5年間ペイオフはしない」といった事が足かせとなって、 金融機関の淘汰がいっこうに進まず、今回の「恐慌」とでもいうべき事態をも たらした事を考えてみて下さい。金融・保険・物流という、現在日本のアキレ ス腱とでもいう分野に君臨する巨大国営企業を5年間も放置したら、いったい どんな事態がおこるか、想像もできません。多分時期は早まるでしょう。

 郵便局市町村の出先機関よりも多い郵便局のネットワークは貴重な国民の財 産です。制約の多い国営で残るよりも、民営化して、いろいろな事業の相互利 用や、郵便局が他の事業に進出するなど、自由な環境を整備して、ネットワー クを真に国民のために活用することの方が、意味不明な「国営維持」よりも、 よほど大切だと思います。国鉄民営化で、JRは国民の資産を私物化しています か?

By HIT(1997.11.25)