米子-東京便アンケート結果分析

By HIT 1999.7.11
1999.3に米子空港利用促進懇話会が実施したアンケート結果の分析です。

1.あまりいいアンケートではない
2.全体の傾向を見る際の注意
3.アンケート結果から分かる東京-米子便の問題点
(1)自家用車利用が少ない
(2)運賃が高い
(3)運行時刻が最適ではない
(4)松江方面の利用者が少ない
(5)観光利用が少ない


1.あまりいいアンケートではない

(1) 設問の整合性が取れていない(問3(住所)では平田市は出雲市とグループ化されているのに、問5(目的地)では平田市は、その他島根県になっている)

 住所地が目的地の旅行(帰省、旅行の帰り)も多々あるので、問3と問5は整合性を取る必要があったのに、とれていない。

(2) 選択肢が不足している質問がある(問5の東京→米子の人への観光の目的地)

目的が観光であって、米子に向かっている人には、「山陰から東京方面に観光に行った帰りの人」も含まれる。したがって、住所地に戻るという観光もあるのに、それが全く考慮されていない。案の定、アンケート記入者も困ったようで、この設問は、他のどの設問よりも無回答者の割合が高い。(17.7%と、6人に一人以上が無回答。)

(3)その他の選択肢が用意されていない質問がある(問5の東京→米子の人への観光の目的地)

 この設問は(2)でも問題点を指摘しましたが、まだ大きな欠陥があります。
 まず、観光の目的地を鳥取県と島根県に分けるのは良いとして(でも、岡山県北部はありそうだが。)、どちらにも「その他」の選択肢がないのです。  鳥取県にはまだ、「その他温泉地」とありますが、温泉以外が目的の観光客は、選ぶところがない。島根県はもっとひどく、「松江市」、「出雲大社」、「玉造温泉」の3つの三者択一になっている。答える選択肢がない設問など、アンケートとして、最低である。(正確なデータが出ない。問5の結果はそのまま使えない可能性が高い。)

(4)重要な選択肢が落ちている(問5or6の米子空港から(まで)の交通手段)  レンタカーという選択肢がない。
 航空と、レンタカーという組み合わせは、個人や小グループ旅行にはつきもので、米子空港にも、レンタカーのコーナーがありながら、この選択肢を入れないのは、おかしい。

2.全体の傾向を見る際の注意

(1)東京方面から来た旅客は、帰りに記入していない人が多い

 米子発便と、東京発便では、回収率がかなり異なる。(米子発53.7%,東京発72.0%)これはどういうことかというと、問3の住所地を見れば、原因が一目りょう然である。米子発便は、東京発便に比べて、山陰の住所地者が軒並み上回っており、逆に、東京方面の住所地者が減っている。つまり、東京方面から山陰に所用があって来た帰りの人は、アンケートに回答しなかった人が多かった、ということになる。
 東京発便と米子発便でアンケート結果が大きく異なる場合には、単純に、この回答傾向の差が原因のときがあるので、深読みしすぎて、勘違いしないように。

3.アンケート結果から分かる東京-米子便の問題点

(1)自家用車利用が少ない

 米子空港まで(から)の交通手段で、自家用車利用は37.4%ほど。他空港の正確な数値は手に入らないので正確な比較はできないが、自家用車社会が発達した地方空港では少ない部類に入ると思う。もちろん、山陰で唯一駐車場が有料(1泊600円)である、という事実がその原因として真っ先に考えられる。

(2)運賃が高い

 これは米子-東京便に限らず、全国どこの路線でも言えるのだろうが、もっと運賃が下がった方がいいと思っている利用者は多数いる。問7の改善要望も、「割引運賃の充実」が最大を占めている。

(3)運行時刻が最適ではない

 同じく問7の改善要望では、運行時刻の調整を望む声が強い。東京→米子便では、AM8-9時、PM3-4時、PM7-8時頃が多く、米子→東京便では、AM7-8時、PM5-6時が多い。

(4)松江方面の利用者が少ない

 アンケート結果の住所地を見ると、山陰在住者で一番多いのは、米子市の20.3%、次が松江市の5.2%である。しかし、松江市からの空港までの距離を考えると、米子・出雲両空港ともほぼ同じであり、条件を同じで競争すれば、松江市の半分は米子空港を利用してもおかしくない。
 1993年の市郡別空港利用動向調査によれば、米子と松江の航空利用者数は1日当たり418人と600人。松江市利用者の40%が米子空港に来るという極普通の計算でいえば、米子空港利用者の米子市民と松江市民の比率は、418:240=1:0.57となるはずであり、米子市民が20.3%であれば、松江市民は11.7%はいないとおかしい。そうなっていないのは、米子空港が出雲空港に比べて、立地条件以外で何か劣っているためである。  逆に言えば、松江市民(及び松江市を目的とする人達)の利便性を高めてやれば、現状の松江方面利用者を大幅増加させることは可能である。

(5)観光利用が少ない

 アンケート結果によると、東京-米子便の観光利用割合は17.7%。他空港のデータがないので正確なことは言えないが、山陰という観光立県に位置する空港で、6人1人位しか観光利用がない、というのは、やはり少な過ぎる、といえると思う。ビジネス利用を増やすことは、地域経済全体が発展しないと、なかなか難しいが、観光利用の促進ならば、比較的容易である。観光目的利用者を増やすことが米子空港の利用促進には、不可欠であると言える。
 なお、この場合の観光利用とは、山陰以外の人が山陰に観光に来る場合だけでなく、山陰の人が、山陰以外に観光する場合も含むものである。
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