県道は地下化でなく、う回を By HIT(1997.06.29)


 米子空港の滑走路延長問題も、だんだんと具体化しつつありますが、ひとつ 気にかかっている事は、県がう回を提案している通称内浜産業道路について、 地元が「う回より地下化」を要望している点です。ちょっと、検討してみまし ょう。

 まずは、地下化のメリットとデメリットを列記してみましょう。

1.地下化のメリット
(1)時間短縮
う回に比べて、所要時間が短縮されます。

2.地下化のデメリット
(1)工費が跳ね上がる。
 う回に比べて地下化は工費が格段にかかります。工事完了後の維持について も排気ガスの排出など、維持費も高額に上ります。

(2)事故があると滑走路が閉鎖される。
 地下化により、美保に1本しかない滑走路の下を通る事になる訳ですが、滑 走路下で火災を伴う事故が起こると、滑走路を閉鎖し、事故後も復旧のため、 しばらく再開不可能です。民間空港ならともかく(もちろん、民間空港でも困 りますが)、自衛隊共用空港で、そのような事態が発生するのは、好ましくあ りません。

(3)テロ行為の標的になる。
 何度もいいますが、米子空港は自衛隊共用空港です。その重要施設である滑 走路の真下に、24時間不特定多数が出入り出来る「道路」を建造するなんて、 「どうぞテロをしかけて下さい」いうようなものです。有事の際に、滑走路を 爆破だれたりしたら、一大事です。

(4)有事の際には、閉鎖される可能性が高い。
 上とからみますが、有事の際には、テロを嫌って、地下道路が閉鎖される可 能性が高そうです。それでは、生活道路としての役目を果たせません。

(5)JR境線米子空港新駅の妨げになる。
 JR境線自身は、地下化がほぼ決まっています。鉄道は、急カーブができませ んから、仕方ありません。事故やテロについても、不特定多数でなく、1事業者 が完全に管理していますから、(2)-(4)のデメリットもあまりありません。列車 が走らない深夜は、入り口を閉鎖する手もあります。
 で、地下化に伴い、大篠津駅が消える事になりますので、代わりに、米子空 港ターミナルの近くに「米子空港新駅(仮称)」を作る計画があります。

 現在、JR境線と米子空港ターミナルとは、直線で250m程度離れています。JR 境線を現在の位置のまま地下化すると、米子空港新駅とターミナルは250mの距 離になりますから、今一遠いです。そこで、地下化を期に、JR境線を空港ター ミナルビルに寄せて真の「空港駅」にしようと県は考えています。(私の計算 では、50m程度までは近づけそう。)

 しかし、平行する内浜産業道路も一緒に地下化すると、JR境線がターミナル に寄せられません。米子空港の利用促進の上からも、相当のダメージを受けま す。

 以上、メリットとデメリットを見てきましたが、デメリットの方が多いこと がおわかりでしょう。ただし、デメリットの中には、「地元」のものがほとん どないので、地元はメリットを求めて、「地下化」を要望するのでしょう。も っと、大局的な見地から判断して欲しいものです。
 と、ここで終わったのでは、いつもの総論論議ですから、面白くもありませ ん。地元の要望も納得できるような、解決策を考えたいと思います。

(a)う回は本当に地元にとってデメリットか。
 まず、本当にう回は地元にとって、デメリットかどうか検証してみましょう。 う回により、内浜産業道路は、多分、外浜街道と合流する事になります。とな ると、外浜沿線の大篠津、和田、佐斐神、小篠津地区の人達にとっては、逆に 便利になります。地元全部がデメリットという訳ではないのです。

(b)う回によるロスはどの程度か。
 次に、地元がいう「う回すると、時間がかかる」というのが、どの程度か見 てみましょう。地図で計ると、う回による距離の増加は、800m程度です。外浜 産業道路は、スピードが出るので、時速60kmで走れるとしますと、「50秒弱」 の時間延長になります。

 以上、う回によるロスは50秒ということが分かりました。すべての地元が不 利益を被る訳ではなく、更にその不利益もたった50秒、となると、そのために、 巨額の工事費と防衛や空港利用を阻害するのは、地域エゴではないかとも言え そうです。でも、それでは元も子もありませんので、50秒を短縮する方法を考 えてみましょう。

 50秒のロスといいますが、道路で50秒以上のロスをする事は結構あります。 それは「信号付き交差点」です。赤信号に捕まれば、(前後の加減速も含める と)1分-2分程度のロスはしょっちゅうです。当該区間う回区間にも、信号は数 個所あり、その度にロスが発生しています。

 ですから、う回区間をすべて「立体交差」にし、ノンストップで通過できる ようにすれば、50秒程度のロスは、あっという間に取り戻せてしまうのです。

 もちろん、普通のう回路工事に比べて、立体交差が加わるので、工事費は高 くなりますが、数キロに及ぶ地下化工事よりは安く上がるでしょう。数々のデ メリットも全く生じません。あとはお金との相談になります。

[結論]「う回区間をすべて立体交差にする」ことにより、地下化と変わらない 効果を上げる事ができるので、地下化にこだわらず、う回を選択するのが望ま しい。

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