松江市内連絡バスの運行を By HIT(1997.10.01)


米子空港駐車場有料化へ
なぜ松江市内連絡が必要か?
ルートとダイヤ
運行会社等

米子空港駐車場有料化へ

 少し前の報道によりますと、米子空港の駐車場が、1998年4月から有料化される ことが決定したようです。米子空港を管理する運輸省(米子空港は、防衛庁と運輸 省の共同管理空港)の発表ですから間違いないでしょう。それに伴い、現在の駐車 場を今年度中に拡大する予定のようです。

 拡張する駐車場の予定地は決まっていないようですが、現在の駐車場から内浜 寄り(自衛隊寄り)を鳥取県は要望しています。仮設駐車場がある外浜寄り(JR境線 寄り)への拡張の方が簡単ですが、ここは、滑走路延長後のJR境線米子空港駅(仮 称)の予定地ですから、県としては、それを嫌ったものでしょう。

 有料化の理由ですが、どうも運輸省が管理する民間空港(第1種、第2種、自衛隊 ・米軍共用)で、駐車場が無料なのは、米子空港だけだった、というのが理由のよ うです。

 しかし、山陰の他の4空港(鳥取、出雲、隠岐、石見。すべて県管理の第3種空港) は、駐車場はすべて無料です。また、横断道の全通で2時間ほどで行ける岡山空港 (第3種空港)も大規模無料駐車場を完備しています。その中で、米子空港のみ有料 となれば、利用者の大幅な減少も見込まれ、場合によっては、米子空港の廃港(民 航機乗り入れ廃止)ということも考えられます。

 対策としては、「県や市が駐車料金を立て替えて国に払う」という手もありま すが、あまり正当な理由が立ちにくいですし、財政難の県や市町村もあまりそう いう気はないようですし、実現は難しいでしょう。

 後は、「なるべく駐車料金を安くする」とくらいでしょうか。空港駐車場は、 1日単位で駐車することが多いので、時間あたり駐車料金よりも、1日あたり駐車 料金の方が与える影響が大きいです。東京出張で1泊2日の間停めても、また、海 外旅行で1週間程度停めても負担にならない額にしたいものです。

 具体的には、1日300〜400円であれば、それほどの負担にならずに、空港駐車 場を利用できるでしょう。広島空港が1,000円、仙台空港が600円という水準から 見れば、結構妥当な線だと思います。逆にこれ以上の料金だと、米子空港の衰退 は目に見えて進展することが予想されます。

 特に、米子空港と利用が競合する出雲空港とでは、主力である東京便の料金は 250円しか違いません(通常期)。なるべく300円程度で収めたいところです。

 具体的な料金設定(案)は、以下の通りです。

           300円プラン 400円プラン
1時間以内        100円    100円
1時間超え2時間以内   200円    200円
2時間超え3時間以内   300円    300円
3時間超え24時間以内   300円    400円
以降24時間ごとに    300円    400円

 さて、いくら駐車料金を安くしたところで、無料と有料のイメージの違いは、 大きいでしょう。米子空港から足が遠のくのも仕方ない状態です。それでも、米 子や境港の利用者は、米子空港を利用しつづけるでしょうが、米子空港と出雲空 港の真ん中にあって、どちらでも利用できる松江市の利用者の動向が気になりま す。何とか松江市利用者振興策が必要でしょう。

 ここは、早期に「米子空港-松江市内連絡バス」を就航させ、利便を図る必要が あるでしょう。長期的には、JR境線米子空港駅の開業による鉄道アクセスも図る 必要があるでしょう。

 次項で、米子空港-松江市内連絡バスについて、掘り下げてみたいと思います。
なぜ松江市内連絡が必要か?

 まず、「なぜ松江市利用者の利便を図る必要があるのか」という点から考えて みましょう。

 H5年航空旅客動態調査(運輸省航空局)によると、米子空港、出雲空港の利用者 は以下のようになっています。

(1日あたり人員)
       出雲空港  米子空港
松江市内    467人    132人
松江市以外   760人    739人
  計     1,227人    871人

 そう。松江市以外の利用者は、米子、出雲両空港で差はなく、差は松江市利用 者の動向によって決まっているからです。

 一般に、空港利用に限らず、利便施設は、ある程度以上差がつくと、雪崩を打 って有利な方に利用が流れ、不利な方は利用されなくなる傾向にあります。全国 を見渡しても、60kmも離れていない空港どうしというのは例がなく、下手をする と、米子空港廃港は、現実のものとなります。

 松江市内からの距離を考えると、本来出雲空港と米子空港の利用者数は、ほぼ 同数か、悪くても60:40程度の比率になるはずです。それが現在のように大きく 比率が崩れている(78:22)のは、以下の理由が考えられます。

(1)連絡バスがない
(2)自動車ルートが未整備
(3)自動車ルート中に中浦水門があり、正確な所要時間が見込めない
(4)島根県が出雲空港利用を奨励している

 (2)については、朝酌経由にしても、本庄経由にしても、道路整備が進んだ今 は大幅に緩和されています。しかし、中々昔のイメージは払しょくしがたいも のですから、イメージ払しょくまでは、しばらく時間がかかりそうです。

 (3)については、中海架橋の完成で解消されますが、それまで(H18年完成予定) 待ってはおられません。ある程度のロスは見込んで運転する必要があるでしょう。

 (1)については、連絡バスの運行で解決できます。また、連絡バスが走ること により、米子空港連絡の所要時間が確定し、自家用車利用の人の目安にもなりま すから、直接バスを利用する人以外へのメリットも大きいでしょう。

 特に、中浦水門が通行できずに、連絡バスが遅れた場合などには、空港での搭 乗手続きの延長が行われるハズですから、「連絡バスといっしょに走っていれば、 必ず搭乗できる」という安心感は大きいでしょう。

 以上のように、米子空港-松江市内連絡バスの運行は、数々のメリットがあり、 また、大きな追加投資も必要ないことから、早期に実現する必要があるでしょう。

 特に空港駐車場が有料化する98年4月からでも運行する必要があります。
ルートとダイヤ

 米子空港-松江市内連絡バスの運行ルートですが、所要時間を考えると、少々の リスクはありますが、中浦水門経由は外せません。あとは、松江市内とどう結ぶ かという「ルート選定」です。

 松江市内から中浦水門を経由して、米子空港に至る主なルートは、以下の通り です。

(1)松江市内-朝酌-大根島-江島-中浦水門
(2)松江市内-431号線バイパス-本庄-大根島-江島-中浦水門
(3)松江市内-島根大学前-本庄-大根島-江島-中浦水門
(4)松江市内-西川津-本庄-北部承水路-江島-中浦水門

 どのルートでも、さほど所要時間に差はない(40-50分程度)ですが、(3),(4) は、ぐねぐね曲がる431号線を長く走る分だけ、所要時間が伸びそうです。

 (1)と(2)が候補にあがりますが、(1)は所要時間が短いと利点と、(2)は、島 根大学前を通れるというメリットがあります。一長一短ですから、よく検討し て決める必要があるでしょう。どちらにしても、大根島と江島を経由しますか ら、ぼたん観光と江島工業団地の振興に寄与する連絡バスの運行は、八束町役 場が推進に協力してくれることも十分考えられます。

 松江市内のルートですが、以下のポイントは外せません。

(1)一畑電鉄松江温泉駅(電鉄乗り換え、JASの支店あり)
(2)県庁前,県民会館前
(3)松江駅前

 これらを順に結んで、渋滞に巻き込まれにくいルートということで、以下の ルートを提案します。

松江温泉駅前-(県警前)-県民会館前-県庁前-(宍道湖大橋)-松江駅----米子空港

 次に、ダイヤです。

 米子空港発は、「到着便の10分後」という米子駅連絡バスと同様でよいので すが、問題は松江発の設定です。

 米子駅発は、途中の渋滞も少ない内浜産業道路経由で運転している関係で、 所要時間30分に対して、「出発便の60分前」と30分しか余裕を見ていません。 しかし、松江市内の交通渋滞は定評がありますし、中浦水門での遮断を考える と、30分の余裕では苦しすぎます。出雲空港連絡バスが40-50分の余裕を見て いることを考えると、米子空港連絡バスも50分程度の余裕は、必要でしょう。 松江市からの所要時間(45分)を加えた「出発便の1時間35分前発」というのが、 考えられる限界です。この程度の所要時間ならば、出雲空港連絡バスとほぼ同じ 所要時間(10分程度違う)ですから、十分競争になると思います。

 利用見込み

 H5年調べによる米子空港利用の松江市内からの利用者数は、132人/日です。 直通バスの登場により、利用が見込まれるのは、利用者数が現状のままだと仮 定して、米子空港全体のバス利用率(15.7%)を掛けると、25人/日となります。

 これだけですと、バスを走らせるだけの数にはなりませんが、実際には、バ スの運行による各種メリットにより、倍の50人/日程度は、見込めるでしょう。 さらに、バスが無いために、米子空港-松江市内をタクシーで移動していた人 からの移転を考えれば、70人/日は見込めると思います。

 米子空港には、現在1日9-11便の航空機が発着しますから、1便あたりで見れ ば、片道3.5人となりますが、実際には、東京便や札幌便といった大きな航空機 の便と、大阪、名古屋、福岡等の小さな飛行機の便では、利用者が違いますか ら、大型機には小型バスまたはマイクロバス、小型機にはジャンボタクシーな ど、それぞれふさわしい交通手段を講じる必要があるでしょう。
運行会社等

 さて、米子空港-松江市内連絡バス(ジャンボタクシー)の運行先ですが、どこが 良いでしょうか。

 実は、空港連絡バスは、路線バスではありません。航空会社や空港ビル会社が チャーターしている「貸切バス」です。従って、路線バス免許のない業者でも、 貸切バスの免許を持ってさえいれば、空港連絡バスを運行できます。実際に、出 雲空港連絡バスは、路線バス免許のない、松江一畑タクシー(株)が行っています。

 松江市内に拠点があり、貸切バス事業を行っていて、空港連絡バスを運行しそ うな事業者は、以下の通りです。

(1)日の丸自動車松江営業所 松江市黒田町
(2)一畑電気鉄道      松江市中原町,西川津町
(3)松江市交通局      松江市山代町
(4)松江一畑タクシー    松江市西川津町
(5)日本交通島根本社    松江市東朝日町

(1-3は、路線バス免許あり)

 それぞれにメリットとデメリットを上げますと、
(1-3)路線バス免許会社共通
[メリット]
・路線バスを間合い運用できるので、安いコストで運行できる。
[デメリット]
・路線バス共用だと車両が見劣りする。(特に、出雲空港連絡バスは、専用塗装 の新車なので、余計差が目立つ。)

(1)日の丸自動車松江営業所
[メリット]
・米子空港-米子駅連絡バスと同じ業者なので、連絡がスムーズで、運行が円滑 に行える。
・米子空港のANK空港事務は、日の丸自動車が総代理店として行っており、バス との連携がスムーズに取れる。
・鳥取県に地盤のある会社なので、いざと言う時には、融通を利かせてもらえる (かもしれない)
[デメリット]
・松江営業所の敷地が狭く、連絡バスを置くスペースがない。

(2)一畑電気鉄道
[メリット]
・島根県のJAS総代理店なので、予約から連絡バス運行まで、スムーズに行える。
[デメリット]
・特になし

(3)松江市交通局
[メリット]
・大根島までの路線バスを運行しており、ルートに慣れている。
・松江市民のメリットも大きい連絡バス運行なので、採算度外視で、安く引受け てくれる(かも知れない)
[デメリット]
・タクシー事業をしていないので、ジャンボタクシーを用意できるか不明。

(4)松江一畑タクシー
[メリット]
・出雲空港連絡バスの運行会社なので、一元管理により、スムーズな運用が可 能になる。
・島根県のJAS総代理店なので、予約から連絡バス運行まで、スムーズに行える。
[デメリット]
・特になし

(5)日本交通島根本社
[メリット]
・鳥取県にも地盤のある会社なので、いざと言う時には、融通を利かせてもら える(かもしれない)
[デメリット]
・特になし

 以上、総合すると、松江一畑タクシーか、一畑電気鉄道の一畑系2社のどちら かが良いと思います。

 料金について

 空港連絡バスは、路線バスではなく、貸切バスですから、どんな料金設定を してもいい(赤字分は委託者は払う)ことになりますが、実際には、路線バス等 との運賃を元に算定する場合が大半です。鳥取県内のバス会社のそれで計算す ると、だいたい700円程度となります。これは、松江市内-出雲空港連絡バスの 料金(890円)よりかなり安いですから、800円程度まで取っても十分対抗できま す。実際には、800円程度の料金設定になると思います。

 実は、先日の新聞によりますと、11月から、松江市内-米子空港連絡のジャン ボタクシーを、試験運転を開始する、と載っていました。(ただし、東京便接続 のみ。)業者選定や料金設定は未定のようですが、連絡バスの運行の前段として、 所要時間の測定やその他の基礎資料が出来るでしょう。また、ここで、少々悪 い結果が出たとしても、来年4月からの駐車場有料化で、必ずや利用は増えます から、辛抱強く運行していくことが肝心だと思います。

 最後に、もう一度いいます。

「米子空港活性化の決め手は、松江市民の利用動向にあり」です。
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