1994.10.13 米子のまちづくりイメージ


アイデアにタイトルもついて、だんだん形になってきました。
「よみの国」初登場です。「情報交感都市」というキャッチフレーズも結構気に入っています。
交通分野だけ、やけに細かいのは、趣味のなせる技でしょうか。


1.情報交感都市
[意味]
 情報化は21世紀の重要なキーワードであるが、情報というのは、あくまでもポテンシャル(潜在的エネルギー)であって、情報を真に必要な人に伝え、それが基で、何か新しいものが生み出されて始めて役に立つものとなる。
 したがって、単なる情報伝達や情報交換ではなく、皆が情報への感度を高くし、お互いに感じ合うことによって、より多くの付加価値を生み出す「交感」都市を実現する必要がある。(交感……両方が触れ合って感じること)

[具体的な施策例]
・行政情報のデータベース化と情報公開
  情報公開による市民参加の行政の推進
・市民がいつでも情報を引っ張りだせる環境の整備
  広報の充実
  マルチメディア時代の行政サービスの高度化
・付加価値の高い情報集団への援助
  付加価値の高い情報集団……例えば趣味のグループ(障害や年齢を越えた仲間)の情報をデータベース化する際の援助
・情報交感ボランティアの育成
  情報を収集し、発信することを中心となって行う人を育成し、社会的な役割を与える。  →→ 「マニア」、「オタク」の活用
(毎日さまざまな情報が溢れる現代においては、自己を見失わないためには、情報から隔離された環境で世捨て人の生活を送るか、何か特定の分野(趣味、趣向)に絞って情報を取捨選択しなければならない。すなわち「情報化社会=総オタク化社会」である。オタク情報の活用は、社会的にも、商売上でも、重要になってくるハズである。)
・やる気のある非営利団体(ボランティア団体)への支援
 現在、ボランティア団体等の非営利団体のほとんどは正式の組織でない任意団体である。そのため、寄付等を受けても資産の登記ができず、オフィスを借りるのも個人名で行っている現状である。
 現在、日本の法律上、非営利の法人は、政府認可の公益法人だけなので、このような問題が生じるが、法律上の問題は仕方がない。
 そこで、やる気のあるボランティア団体を支援するため、公益法人を設立し、登録されたボランティア団体(原則として厳しい審査はなし)の資産や資金を管理する。


2.あるーくのまちづくり
[意味] 街のにぎわい度を次のように定義してみる。
 「人と人が顔を合わせる度合い」
 そうすると、車に乗って目的地に移動し、目的を果たしたらまた車で帰るというライフスタイルでは、活性度も上がらないし、まちに対する新しい発見もない。
 したがって、まずは人がまちに出ることであるが、まちに出る手段を「車」から「歩く」になるべく変えていく必要がある。

[具体的施策例]
・ゾーニングによる車の乗り入れ制限
 路線バスを除く車両の乗り入れを制限する。
 地域外の人は公共交通機関を利用するか、郊外に設けた無料駐車エリアから徒歩なり、公共交通機関に乗り換えて来てもらう。
・地域内の公共交通機関の整備
  移動中にも、他人の顔が見れる公共交通機関は、にぎわい度を高める。また、交通弱者への移動機会確保も高齢化社会を控えて急務である。
 ○鉄道
  現在米子市内には、山陰本線上り、山陰本線下り、伯備線、境線の4系統のJR線が運行しているが、これの利用増強に努める。(新線の開業については、望みが薄い)
  △運転間隔
 経験的に言えば、地方都市で公共交通機関が市民権を得るには、15分から20分に1本程度の頻度を確保して、「待たずに乗れる」体制の整備が必要である。また、毎時00分、20分、40分発といったパターン展開も必要である。
 現在の運転間隔と目標運転間隔は次のとおり(特急は除く)
(山陰本線荒島−揖屋間は複線化する必要あり)

         現在の運転間隔      目標運転間隔
  山陰本線上り 30分に1本(〜鳥取)  20分に1本(〜御来屋)
  山陰本線下り 30分に1本(〜松江)  20分に1本(〜松江)
  境線     40分に1本(〜境港)  20分に1本(〜米子空港)
  伯備線    2時間に1本(〜生山)  30分に1本(〜伯耆溝口)
                      1時間に1本(〜生山)
  △終電車の時刻繰下げ
         現在の終電車時刻     目標終電車時刻
  山陰本線上り 22時56分(倉吉行)  23時00分(倉吉行)
  山陰本線下り 23時11分(松江行)  23時30分(松江行)
  境線     22時52分(境港行)  23時00分(境港行)
  伯備線    21時36分(生山行)  23時00分(伯耆溝口行)
                      22時30分(生山行)

  △新駅の設置
 ・境線
   大篠津駅を境港寄りに移転させて米子空港駅に
      米子空港駅から空港ビルまで屋根つきの連絡通路を整備
      (空港連絡には定時性の強い鉄道が最適)
   工専入口および富益団地入口に新駅(逆に弓が浜駅は廃止してもよい)
 ・山陰本線下り
    米子−安来間  吉佐  (安来市吉佐町) 県境付近
            清水入口(安来市島田町)
    荒島−揖屋間  中意東 (東出雲町中意東)三菱農機中意東工場前
    東松江−松江間 東津田 (松江市東津田町)
 ・山陰本線上り
    東米子−淀江間 −−− (淀江町)  大和地区か、新役場近くか
 ・伯備線
    東米子−岸本間 河岡  (米子市河岡)尾高地区の人も使えるように尾高寄り
  △パーク&ライドの推進
   郊外の駅(伯耆溝口駅、大山口駅等)に駐車場を整備し、駅までは車で、市内へは  鉄道でという、役割分担を推進する。

  △駅周辺の整備
   駅から目的地まで歩きやすい環境を整える。
 〔例〕えるもーる駐車場ビル〜境線富士見町駅〜しんまち天満屋間を
    歩道はきれいに、ガード下は一方通行として、歩道部分を確保してきれいに

  △駅設備の高度利用
  既存駅や新駅のほとんどは無人駅になると思われる。そこで、駅舎を集会施設、展示施設等と合築し、高度利用を図る。

 ○バス
  鉄道ほどの輸送密度が確保できない方面や、きめこまやかな交通手段として、バスは最適な交通手段である。

  △バスの小型車化
   現在のバスの乗車率からすれば、バスの大きさが大きすぎる。一畑バス程度の大き  さで十分。
  △ローステップ車の導入
   バスの主たる利用者である子供、老人、障害者のために、乗りやすいローステップ  車を導入する。
  △フリー乗車区間の設定
   島根県では、市街地を一歩出るとどこでもバスが止まる「フリー乗車」方式が導入  されている。自宅前から乗れ、自宅前で降りれるので好評。市街地利用者には直接関  係ないが、利用自体が増えるのはメリット。
  △市内均一料金
   乗り慣れていない人でも簡単に乗れ、回数券も効果的に使える市内均一料金制を導  入する(米子駅から半径4〜6q程度の範囲内)
  △無料送迎バスの代替え
   病院を初め、保育園、老人福祉センター等への直接乗り入れバスを運行する。これ  らの施設は、送迎バスを自前で持つのをやめ(重度障害者のためのリフト付きバス等  は除く)、路線バスに切り換える。行政は、これらの弱者用の料金割引支援を行う。  (割引パス等)
  △循環バスの運行
   鉄道同様にバスも運行頻度を上げる必要があるが、沿線人口の少ない路線ではなか  なか難しい。2つの路線を循環路線とすると、乗車機会が倍になり、利便性が増す。  循環路線に向いている路線の例は次の通り。
    福万線+水浜線または福万線+尾高線
    石井経由及び宗像経由永江団地循環
    車尾経由及び皆生経由今吉循環
    皆生温泉経由及び米原経由新開循環
    内浜経由及び鉄工団地経由富益団地循環
    上後藤経由及び上福原経由博愛病院循環
  △最終バスの時刻繰下げ
   現在の最終バスは20時台。中には19時台が最終のバス路線もある。残業や飲み会でも安心なように、22時30分程度には繰り下げて欲しい。もちろんすべての路線にこの時刻を実施するのは不可能なので、循環路線や最終バス専用のジグザグルートの採用などで、最終バスの運行時刻繰下げを実施する。
 ○その他の公共交通機関
  鉄道とバス以外の公共交通機関(タクシーは人と人が顔を合わせないので、今回の議 論からははずす)としては、モノレール形態の新交通システム等が考えられるが、米子に合った交通手段として、路面電車の復活を提唱したい。
  路面電車は、日本では自動車の交通のジャマということで各地で廃止されているが、ドイツなどでは、渋滞もなく、クリーンな交通手段ということで、新規開業も続出して いる。日本でも、地方中核都市では、路面電車が残っている都市も多い。
  車線が減るため、自家用車には不便になるが、その分、公共交通機関に乗り換える人も出できて、本当に自動車が必要不可欠な人にとっては、道がすいて走りやすくなる等 のメリットも生じる。
  米子市内の例としては、以下のようなルートが考えられる。
   米子駅前〜市役所前〜公会堂前〜わこう前〜皆生温泉〜皆生大橋〜東米子駅前
 ○公共交通機関どうしの連携
  鉄道とバス、路面電車相互間の乗換に対して、割引制度を導入する。

・地域外交通の整備(車以外)
 ○伯備線のミニ新幹線化(東米子駅の整備)
  リニアモーターカーどころか普通の新幹線の開通も考えにくい山陰地方にとって、
 唯一実現の可能性がある高速大量輸送手段は、伯備線のミニ新幹線化である。スピードアップ効果はそれほどでもないが、新幹線から乗換なしで移動できるという利便性の向 上は、かなりの経済効果が予想される(山形新幹線の例)。
  ミニ新幹線と在来線は線路幅が違うので、相互乗り入れは出来ないため、整備区間として、「伯耆大山駅までをミニ新幹線として、伯耆大山で山陰本線の連絡列車に乗り換える」と、「出雲市(または西出雲)までをミニ新幹線とし、鳥取方面は、すべて伯耆 大山駅で乗り換える」という2種類が考えられる。前者は松江方面の利用者にとって乗 換回数に変化がなく、数10分の時間短縮効果しかないので、賛同(費用負担等)が得 にくいと考えられる。後者の選択になると思う。
  どちらにしても、山陰本線と伯備線の交点である伯耆大山駅は、交通の要衝となる。 伯耆大山駅を東米子駅と改称して整備する必要がある。
 ○米子空港の整備
  米子空港の利用者は、元来50%以上が島根県民であった。現在どうかは分からない が、出雲空港と利用者数が逆転したことからも、この比率は下がっていると思われる。 特に米子空港と出雲空港の真ん中にある松江市民の利用動向がカギである。
  松江方面からのアクセス改善
    江島架橋の整備推進(待っていれば出来る?)
    連絡バスの運行等(鳥取空港−倉吉連絡バスよりは実現の可能性あり)
    米子空港〜松江間の鉄道または新交通システムの運行(うーむ)
 (でも、………はっきり言って中海圏に2つも空港はいらない。松江近辺の鉄道駅近く  に3千m級の新空港を作って、米子も出雲も廃港にしてもいいと思う。)
 ○境港からの高速海上航路の整備
  福岡、浜田から北陸、北海道への航路の開拓(浜田は広島からの、境港は岡山、四国 からの乗客をさばく)
・歩道の高度化、美化。
 歩いて楽しい美しい町並みの実現
・道路に星座の名前を付けて整備する。
 米子の米は八十八。星座の数も88。88の通りにそれぞれ星座の名前を付け、星座名にちなんだ施設、表示等を順次整備していく。
・家から余り出ないお年寄り、幼児、障害者の人をまちに引っ張り出す工夫
 ノーマライゼーションの概念の浸透等→高齢者や身体障害者、幼児にやさしいまち
 年齢、性別、趣味等を越えた人たちが(集まらなくてもよいから)すれ違えるまち

3.独立自営都市(アウタルク)
〔意味〕
 経済、情報のボーダーレス化が進む中、ともすれば、地方都市は、人材の供給と消費だけの植民地的な地位におとしめられてしまうことが多い(米子の現状もそうだけど)。
 そうならないためには、ボーダーレスといいながら、自前で出来ることはするという独立自営のまちづくりが必要。東京のおこぼれをもらおうというのではなく、場合によっては日本国から独立も辞さないという気構えが必要。

〔具体的施策例〕
・地方分権の推進
・行政効果評価機構による効率的な行政運営
・市民参加のまちづくり
・貿易という概念でつねに町の状態をチェックする。
・衣、食、住の最低限は、自給できる体制を
・循環型の環境にやさしい体系づくり
・適正人口の概念を
 人口は多ければいいというものではない。ある程度を越えると、水の確保等で問題が生じてくる。また、独立自営をめざすためには、土地利用面での制約も大きくなり、人口は適度に押さえる必要がある。
・農のある風景
 独立自営のために必要なのは、やはり食糧。

4.「あまのじゃく」のまちづくり
 地方が中央政府の示した方向にばかり向かっていたのでは、それは中央集権国家と同じことである。地方分権のメリットであるリスク分散のためには、「国の言うことをきかない地方自治体」が必要である(あまり多すぎてもいけないが)。
 そこで、米子がそれになろう。(とはいっても、全部を国の施策に反することをやって失敗したらすべてパーなので)常に一定割合(全予算の5%とか)を、その時の国の施策と正反対の施策につぎ込むという、あまのじゃく施策も面白いと思う。多分国外での評価は大分上がると思う。

5.「やせがまん」のまちづくり
 人間の欲望はきりがないし、それに基づく社会システムもいつかは破綻する。そこで、逆に、「米子は新規施策は一切やらない。他市より施策が劣っていてもがまんします。その代わり、何か突拍子もない事件が起こって、国が大混乱になっても、米子市民が何とか食べていけるくらいの蓄え(お金、食糧等)を貯めます」というやせがまん施策を実行する。「最後に勝つのは、米子だ!」が合言葉!

6.新しいもん好き都市
〔意味〕
 米子もんは新しいもんが好きなので、新しいものを中心にしたまちづくりは結構合っているかも知れない。新しいもの好きというのは、いいことだ。たとえば、京都のまちは、「いつの時代のものでも古い物が残っている」古い町というイメージだが、これは裏を返せば「いつの時代でも新しいものを取り入れている」ということだ。
〔具体的施策例〕
・新スポーツ大会
新スポーツを選んで初の全国大会を米子で開く。「何々日本一」というのは、いつかは破られるが、「何々発祥の地」はいつまでも残る。
・新製品テスト地に立候補
 新製品のテストには、静岡、広島、宮城等の県が良く選ばれる。平均的日本のレベルを表しているかららしいが、新しいもん好きの米子も新製品テスト地に立候補する。米子地区限定販売品があるというのは、イメージアップになる。ただし、「米子で売れる商品は全国で売れる」という裏付けデータは必要だが。
・新商売さんいらっしゃーい
 商人の町米子といっても、近年の商売人はあまり元気がない。そこで、全国から新しい商売(別に商品販売に限らず、サービス業でも、何でもよいのだが)を考えた起業家に米子に来てもらう。
 起業家への支援策としては、出資とかオフィスの提供とか考えられる。新商売なので、行政があまり厳しくチェックすると潰されることがあるかも知れない。かといってチェックが甘いと詐欺師に活躍の舞台を与えるだけだし、むずかしいところだが。
・新しいものタイムカプセル
 毎年「新しいもの大賞」を選び、大晦日にある山の麓にタイムカプセルとして埋めて行く。何百年もすれば、考古学的な価値が出てくる。

7.よみの国・米子
〔意味〕
 米子には、夜見が浜(弓が浜)、夜見町がある。語源はもちろん「黄泉」であり、「人の死してかえるところ」である。また、隣の島根県の「根」にも、同様の意味がある。
 「死後の世界」と言うとおどろおどろしいが、みんな最後は死ぬのである。「すべての人が最後にかえっていくところ」と思えば、温かみも伝わってくる。
 米子に入ったところに「お帰りなさい、よみの国・米子へ」と掲げると面白い。
〔具体的施策例〕
・「死後の世界研究所」の設置
 即物的な西欧合理主義に毒されている「生きている間のことだけを考えた都市計画」ではなく、「死んだ人にも住みやすい(?)まちづくり」の研究は、きっと生きている者へも役に立つ住みやすい町を考える研究となるだろう。「東洋の死後の世界観」をもっとまちづくりに応用してみたい。
・新興宗教の誘致
 宗教というと、何かと悪いイメージを持つ人も多いようであるが、宗教というのも、現代においては、「心のサービス産業」と見れば、普通の産業である。巨大宗教の総本山ともなれば、メッカやエルサレム、ローマの例を見ても分かるように、町も活性化する。日本でも天理市や富田林市、金光町など、新興宗教の門前町として栄えているところもかなりある。企業誘致と同様の効果を期待できる(?)。
 将来性のありそうな新興宗教(既存の宗教のメッカにはなれないので)に、土地等を提供して、「宗教のまち・米子」を売り込む。
・バベルの塔の建設
 「よみ」と言えば「バビル2世」、バビル2世といえば「バベルの塔」。という訳で、米子の町が見渡せるところ(やはり夜見町がいいかな)、にタワーを作る。やはり「よみのまち」ともなれば、昼の姿より夜の姿を見てもらいたい。夜景も綺麗にゾーニングなどをして。
 ただし、バベルの塔というからには、永久に完成させてはならない。毎年すこしづつ高くしていく。
・神話にこだわってみる
 黄泉の国といって思い出すのは、やはり、ヤマトタケル命が死んだイナダ姫を黄泉の国に迎えに行って、追いすがる魑魅魍魎を桃で退けながら、千引きの石(イワとよむ)で通路を閉じて助け帰ったという逸話である。(千引の石のある「ヨモツヒラ坂」は東出雲町の揖屋の手前にある)
 これに限らず、よみの世界を扱った逸話を集めて、まちづくりに応用してみる。
たとえば、千引きの石に模した門がある病院(!)とか、袋小路とか。アベックが寄ってくるかも。
 水木しげるロード等と総合的広域的に整備するともっと面白い。
・よみの国をテーマとした「テーマパーク」建設